01発熱
お子様の急な発熱は、体の防御反応としてウイルスなどと戦っているサインです。幼いお子様は初めての感染症を経験することが多いため、よく熱を出します。
解熱剤の使用
むやみに熱を下げる必要はありません。ぐったりしている、不機嫌で眠れないといった場合、まずは受診して病状を把握してから使用を検討しましょう。
観察のポイント
顔色や呼吸の状態、水分が取れているかを日頃から観察しておくことが大切です。
お子さまの「いつもと違う」に寄り添う診療を
小児科は、こどもの身体・心の健康を守るために診療を行うとともに、健やかな成長・発達をサポートする診療科です。そのため小児科医は「こどものための総合診療医」でもあります。
小児の疾患は多岐に及び、生涯のうちで最も感染症にかかる時期でもあります。
さらに成人と比べ病状の発症や進行が急であることも多く、注意が必要となります。
また、特に乳幼児では言葉でうまく症状を伝えられないため、ご家族にとっては、泣いて機嫌の悪いこどもに何が起こっているのか分からず、「いつもと違う」という不安がより大きくなるはずです。そのようなこども達に対し、ご家族の不安に寄り添いながら適切な診断と治療を行うこと、また病気にならないよう予防することが小児科医の仕事であると思っています。
地域の医療機関と連携し、こども達の健やかな成長をサポートしていきます。
各疾患名をタップすると詳細をご覧いただけます。
お子様の急な発熱は、体の防御反応としてウイルスなどと戦っているサインです。幼いお子様は初めての感染症を経験することが多いため、よく熱を出します。
むやみに熱を下げる必要はありません。ぐったりしている、不機嫌で眠れないといった場合、まずは受診して病状を把握してから使用を検討しましょう。
顔色や呼吸の状態、水分が取れているかを日頃から観察しておくことが大切です。
熱性けいれんとは、通常、生後6か月〜5歳くらいまでのお子さんに見られ、発熱に伴って起こります。日本では10人に1人ほどの方が経験するありふれたものです。
1回のみの場合もあれば、発熱のたびに起こることもあります。
多くは発熱後24〜48時間以内にけいれん・意識消失・顔色不良などが見られます。その間は周囲に対して反応はなく、数分程度の経過でけいれんは治まります。
典型的な熱性けいれんでは基本的に脳にダメージが残ることはありませんが、熱性けいれん以外にも「発熱」と「けいれん」を主要症状とする病気は多くあるので注意が必要です。
3歳までにほとんどのお子様が経験する病気です。
RSウイルスは冬〜春先に流行する風邪の一種ですが、乳幼児に感染すると呼吸症状が強く出る感染症です。
飛沫や接触によって感染し、発熱、咳、喘鳴、鼻水などの症状を引き起こします。
「ゼイゼイ」という呼吸音が聞こえたり、呼吸が苦しくなったりすることがあります。進行すると細気管支炎や肺炎につながる恐れがあります。
特に生後2ヶ月未満の乳児は無呼吸発作を起こすリスクがあり、非常に注意が必要です。夜間に症状が悪化しやすいため、咳込みがひどい時は早めに受診してください。
主に夏に流行するウイルス性の感染症で、手のひら、足のうら、口の中にできる小さな水疱(水ぶくれ)が特徴です。
口の中の水疱が潰瘍になると、刺激のある食べ物がしみて痛がります。
基本的には予後良好ですが、稀に髄膜炎や急性脳症を合併することがあります。高熱、頭痛、嘔吐、ひきつけなどの症状が見られる場合は、すぐに医師の診察を受けてください。
ムンプスウイルスによる感染症で、耳の下(耳下腺)やあごの下(顎下腺や舌下腺)などの唾液腺の腫れと痛み、発熱が主な症状です。
腫れや熱は3日目あたりがピークで、通常は1週間程度で治まります。
唾液腺の腫脹が始まった後5日間を経過し、かつ全身状態が良好となるまでは登校禁止となります。
合併症として睾丸炎や高度難聴を招く可能性があるため、任意での予防接種が推奨されます。集団生活に入る前の接種を検討しましょう。
水痘・帯状疱疹ウイルスの感染により、強いかゆみを伴う赤い発疹と水疱が現れます。
水疱は2〜3日でかさぶたになり(痂皮化)、1週間ほどで治癒します。全ての発疹が痂皮化すれば、登校可能になります。
治った後もウイルスは体内に潜伏し、大人になってから帯状疱疹として発症することがあります。将来の予防のためにも、予防接種を受けておくことが大切です。
麻疹ウイルスによって引き起こされる全身感染症であり、空気・飛沫(ひまつ)・接触感染経路によって鼻やのどから感染します。
通常は10〜12日間の潜伏期を経て発症します。二峰性の発熱、二度目の発熱時に出現する赤くかゆみのある発疹、咳、鼻水、目の充血、などの症状が現れます。
時に肺炎や脳炎などの重篤な合併症を起こすこともあります。一度感染すると免疫は一生持続するとされています。
1歳になったら、忘れずに予防接種をうけましょう。
冬場に流行する感染症で、1〜3日の潜伏期間を経て、突然の高熱、頭痛、関節痛、全身の倦怠感が強く現れます。
学校保健安全法により「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(園の場合は解熱後3日)を経過するまで」は登校(園)できません。
肺炎や脳症・脳炎などの重篤な合併症を防ぐため、早めの受診と流行前の10月〜11月頃のワクチン接種が推奨されます。
溶血性連鎖球菌(溶連菌)による感染症で、かぜと同じような症状を起こします。熱や発疹の様子で分かる病気ですが、のどの粘液の検査や血液検査で確実に診断することができます。
急性咽頭炎を起こした場合、発熱してのどが痛くなり、のどや口の中が真っ赤になります。舌にいちごのようなブツブツができることもあります。食べ物を飲み込んだだけでも痛みます。
抗生剤投与などの治療によって2〜3日程度でのどの痛みや発熱、発疹などの症状は治まります。発症後しばらく経過してから腎炎を合併することもあるため、尿検査などを行うこともあります。
胃腸炎のほとんどはウイルス感染(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど)で、一部に細菌性(カンピロバクター、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌など)が見られます。ウイルスが付着した料理を食べたり、手指についたウイルスが口に触れたりすることで感染し、冬場、幼稚園や小学校などで集団発生することも少なくありません。
下痢、腹痛、嘔吐、発熱が多く、治療は脱水を予防し、症状に合わせた内服薬を服用します。細菌性が疑われる場合には抗生物質を使用することもあります。脱水予防には、自宅で出来る経口補水療法(ORT:oral rehydration therapy)が効果的です。
家族に感染することも多いので、家族全員で手洗いを十分するように心がけましょう。
尿路感染症とは、腎臓から尿道までの尿の通り道(尿路)に細菌、ウイルスなどが感染し、尿道・膀胱・腎臓などに炎症を起こす病気です。狭義には細菌感染のことを指します。
腎臓への細菌感染(腎盂腎炎)の場合は重症化すると菌血症などの重篤な病態となることもあり、入院を要することも多くあります。
特に0〜3歳くらいの乳幼児に多く見られるのが特徴です。1歳未満では男児に多く、1歳以降は女児に多くなります。
多くは大腸菌などの腸内細菌で、肛門付近から尿道を通って膀胱や腎臓に入り込みます。
十分な期間の抗生剤投与、水分摂取または輸液などによる利尿促進を行います。
生まれて2歳ごろまでの子どもはよくおねしょをしますが、その頻度は年齢とともに減っていきます。「おねしょ」と「夜尿症」の違いは年齢がポイントです。
乳幼児期(生後1年〜6歳くらい)の夜尿を「おねしょ」といいますが、5歳以降で月1回以上のおねしょが3ヵ月以上続くものは「夜尿症」と呼びます。
尿検査、血液検査、エコー検査などを行います。状況によってはMRIなどの画像検査を行うこともあります。
①生活指導・行動療法 ②薬物治療:抗利尿ホルモン薬、抗コリン薬など ③アラーム療法
便秘とは便が長い時間出ないか、出にくい状態と定義されます。一般的には週に3回より少ない場合、また5日以上出ない日が続けば便秘と考えます。
毎日出ていたとしても、出すときに痛がって泣く、肛門が切れて血が出たりするような場合も便秘と考えます。腸に便が溜まりすぎると、少しずつ便が漏れ出るようになります。
うさぎの糞のような便や、柔らかい便が少しずつ1日に何回も出ている場合も便秘の疑いがあります。
便秘のために治療が必要な状態を「便秘症」といい、便秘症が1〜2カ月以上続いた場合は「慢性便秘症」といいます。子供の便秘は珍しいものではなく、10人に1人かそれ以上といわれています。離乳の開始や終了のタイミングや、トイレトレーニングのタイミング、通学開始時などに慢性便秘症が始まりやすいとされています。